潮vol.1「上げ七分下げ三分」は、言いえて妙
meikeimaruの推論と失敗から生まれた実戦ノウハウ
釣りの名言に「上げ七分下げ三分」があります。釣りの時合いを表現して、確かに言い得て妙です。
いわゆる時合いが来る時間帯を表していて、様々なケースが考えられますが、70-80点の正解と思いますし、この時間帯を狙えば、釣れる確率は高いと言われます。
ただし、釣り場の特性もありますし、「上げ七分下げ三分」が時合いとなるのではなく、時合いが現れる時間帯として期待できるということです。また、逆の「上げ三分下げ七分」で釣れる場所や魚種もあるので、100点ではないものの名言です。
釣りをまったくしない人から見れば、いつも同じように海の至るところすべてに魚は泳いでいて、エサを見つければいつでも食べ、釣れないのが不思議?と思うかもしれません。我が家族は少なくともそう考えています。ましてや、ボートで沖に出て釣れないことがおかしいと思っているようで、「今日の潮では釣れない」という意味が、とても難しい解釈です。
池の鯉や金魚にエサを与える感覚です。
さて、上げ七分は、満潮へ向けて潮が満ちていき、七分ほど来たところを表現していて、下げ三分は、満潮から下げ潮で干潮へ向かい、三分ほど過ぎたあたりを言っています。七分は70%、三分を30%経過とします。いわゆる満潮前後です。
潮汐による潮の干満での狙い
次のタイドグラフ(*海上保安庁HPより)は、2019/1/7の家島です。
- 2019/1/7の干潮 4:28、満潮12:29と約8時間の潮の動き。
- 上げ七分の70%は、約5時間半後、午前10時過ぎから上げ七分になる。
- 再び干潮は、18:18 で、約6時間が下げ潮。
- 下げ3分は、満潮から2時間弱の午後2時過ぎが、下げ3分。
- 潮止まりの満潮時刻は、食いがいったん止まるのが通例。
- 魚種やポイントによっていろいろだが、狙いはつけられる。
潮汐は、大雑把に6時間単位で満潮干潮が繰り返されています。干満の時間差は結構ありますが、簡単に6時間とします。
上げ七分は、満潮時刻まで2時間を切った辺りで、下げ三分は、満潮から2時間を経過するころまでの3-4時間は時合いの確率の高い、魚が良く釣れる時間帯ということです。
基本的に時合いが来る時間帯だと思って釣れば、間違いがないです。さらには、満潮が朝の時間帯に来れば、狙い目の潮回りとなります。そしてそれが、潮の良く動く日で、天気に恵まれれば、なかなか良い思いができる釣り日和です。
そして、潮の流れが大事です。潮が流れることで、プランクトンが豊富に動き、それをエサにする小魚や甲殻類の活性が出ることで、それらを食べる魚も動き始め、食い気が出て時合いがきます。
潮の流れ「潮流」も大事な要素
潮の速い海域のひとつとして明石沖があります。明石海峡の速い潮の流れの影響で、海峡から約5海里(約9km)ほど離れたポイントのカンタマやヒヤガリでも、ボートを5ノット(約10km弱)という速さで流す潮もあり、急流です。
ここでは、満潮干潮を目安にするのではなく、上げ潮(西流)下げ潮(東流)の転流時刻や、さらに転流の中間時間帯の潮流最速時刻を目安にして、釣れる時間帯を見ていきます。
自ずから、青物、タイ、タチウオ、メバルや根魚、さらにはタコ、それぞれ狙う時間帯が変化してきます。明石海峡周辺のポイントでは、この潮流の速度でそれぞれの魚の食事時間帯が違います。そのポイントの釣れる潮の見極め、釣った時は至福の瞬間です。
次のグラフ(*海上保安庁HPより)は、明石海峡の潮流状況を表しています。
- 2019/1/6 21:00から1/7 21:00までの明石海峡の潮流状況を表すグラフ。
- 縦軸が潮速。中心が0knotで転流点。
- 上へ上げ潮(西流)、下へ下げ潮(東流)。上下へ伸びるほど潮速の速度は大きくなる。
- 横軸は、時間経過。
- 上げ潮最速時は、6.3ノットとかなり速い潮流になる。
- 明石海峡周辺の釣り場では、潮汐表より潮流状況が重要な役割になる。
ただし、これは一般論で例外は多数あります。先の「上げ三分下げ七分」で釣れるポイントや魚種もあるくらいですから、自然相手で相手の食い気が左右するのですから、これまた難しいものです。
「上げ七分下げ三分」を狙いめですが、簡単に釣れてくれません。あくまでも一般論で、思うようにはいきません。これがしっかりできたら大したもので、漁師や釣り船の領域です。
meikeimaruの推論と失敗から生まれた潮シリーズ
*出典:海上保安庁ホームページ(掲載可能を確認済)
海の情報-潮汐推算、明石海峡潮流情報 より
https://www.kaiho.mlit.go.jp/05kanku/contents/information/