エッセー さかな大図鑑 | 週刊釣りサンデー発行の釣り人の大図鑑

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まだ世にwebが広まる以前の1970年代後半から90年代にかけて『週刊釣りサンデー』という関西を中心にした釣りの週刊誌がありました。多くの購読者がいたもので、私もその一人でした。小西和人さんという釣りの大御所がお始めになった会社です。残念なことにwebの普及による経営悪化ということで2003年に廃刊になりました。

さかな大図鑑と故小西和人氏の御署名

さかな大図鑑と故小西和人氏の御署名

わかりやすく、真実のみが掲載されていて、週刊誌以外にも専門的な別冊がたくさん発行されていました。その中のひとつに1995年発行の「さかな大図鑑」があります。まだまだ、図鑑や百科事典が大きく分厚い本の時代でした。

このさかな大図鑑は、多くの専門家である学者の方々も著者に含まれていらっしゃいますから、学術的にも立派な図鑑です。そこへ、釣りの専門家が一緒に作られたのですから、釣り人が対象魚を見るのに面白くないわけはありません。

そして、その魚の写真の素晴らしさです。今でこそwebとデジタルカメラできれいな写真が作成できますが、当時は、修整が効かず一発勝負のフィルムの時代です。多くの図鑑は、死んでしまった標本の魚の写真であったと当時を記憶しますが、この図鑑は違いました。釣った魚をその場で写真撮影しているので、活きている時の魚と大きく違わないですから、とにかくきれいです。

魚類は、生きている時や極めて新鮮な状態の写真撮影が難しいことからも、そのような写真が掲載されたものが少なかったのが当時でした。

次の写真をご覧ください。ハマチの色合いが違います。時間の経過とともに色合いは変化します。また、タチウオの銀色のまさに「太刀」の一点の曇りもないような輝きは、釣った瞬間だけです。魚屋さんに出るころには、グレーになっています。イワシも同様です。この輝きは違います。

ハマチの顔、鮮やかな色合い

ハマチの顔、鮮やかな色合い

ハマチの顔どちらも新鮮ですが、これだけ色の差が出る

ハマチの顔どちらも新鮮ですが、これだけ色の差が出る

タチウオの金属のような輝きも、この後どんどん劣化します

タチウオの金属のような輝きも、この後どんどん劣化します

目は黒く鱗のまぶしいマイワシ

目は黒く鱗のまぶしいマイワシ

さかな大図鑑は、そこを追及して徹底的にきれいで生きている時の色に近い写真を使用したと、当時聞きました。こんなことができるのも、釣り人が撮影して作成したからですね。

また、釣り人の図鑑ですから、掲載の分類も「波止釣りの魚」「投げ釣りの魚」「船釣りの魚」「磯釣りの魚」という具合に釣りのジャンルで分類されているのも、この図鑑の特色です。普通は、科別または五十音順などですね。そして、一番最初に出てくる魚は「クロダイ」です。狙う釣り人が多く、人気のあるクロダイからです。あの野武士のような精悍な凄みが表現されている写真と解説です。これまた、釣り人の人気一番からという順位なのでしょう。

凄みのある野武士のようなクロダイ さかな大図鑑より

凄みのある野武士のようなクロダイ さかな大図鑑より

この美しい色のマダイ 釣った瞬間です。さかな大図鑑より

この美しい色のマダイ 釣った瞬間です。さかな大図鑑より

船釣りの一番は当然マダイでしょう。こんな美しい色と輝きが表現されている図鑑も少ないでしょう。美しいマダイも時間の経過とともに色合いは変化してしまいますが、お見事です。

そして、図鑑にその魚の釣り味と食味が星マークで表示されています。星5個で満点ですが、これまた釣り人の図鑑です。クロマグロ、ヒラマサ、カンパチが満点の評価です。釣り味は私には未知の世界ですが、食味は確かにその通りでしょう。

ハマチやブリを狙うのと同時にサワラが釣れると美味しいので大歓迎です。ただ、あの鋭い歯でラインを噛み切られるリスクを持っていて、高いルアーほど切られて失うようです。ブリもサワラも青物と位置づけしていることが多いですが、親戚筋は違うのですね。ブリは、ヒラマサやカンパチが親戚筋のアジ科、サワラはマグロやカツオが親戚筋のサバ科になりますが、この図鑑で勉強しました。サワラのおいしいのは、マグロの親戚だからと勝手に決め込んでいます。

動物も植物も素晴らしい写真は、非常に価値の高いものですが、それを手中にするのは容易ではないことですね。撮影の技術は勿論ですが、対象に出会える機会がどれだけあるかで決まりですね。公園の鳩や池の金魚に鯉のように寄ってきてくれればと思いますが、そう簡単に動物は見られないです。

なんでもインターネットで調べることのできる世の中は変化しました。ちょうどさかな大図鑑が発行された年は、1995年ですから、windows95が発売され、デジタルな世界が始まろうとしている時です。あれから4半世紀で、ものすごい変化です。だからこそ、この様な紙の重く分厚い図鑑が大事になってきます。じっくりと考えながら見て読むのは「紙」なのかもしれません。このサイトの記事も負けないように知恵を絞って、価値あるものにと改めて考えます。

当時の価格は6700円でしたから、とても高価な1冊でした。しかし、この図鑑ならば、何代にもわたって使えるもので、魚も大物が少なくなり変化していることからも、ますます価値の高い内容の貴重な私の蔵書です。

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