イカのもんどり
イカナゴ漁が終わり、いよいよ二見の漁師さんも本格的なシーズンになります。みなさん寒い季節のうちからタコつぼの準備やら網などの漁具の準備に余念がなかったです。
このイカの「もんどり」もその準備の漁具ですが、竹を割って切って丸い骨を作り、木の枝で桟を作りと、完全手作りのものですが、丸い竹の1本を4本に縦割りにして、それを丸めて輪を作るところから始まるのですから、改めて漁師さんの手作りに感心をします。
「もんどり」とは、漁具の一つで網の横の穴から中に入ると、入ったら最後で出てこれないようになっています。それぞれの工夫があるのでしょう。漁具ですから漁師さんのそれぞれ許可制です。
甲イカ、モンゴイカ、アオリイカをこの「もんどり」で獲るそうですが、エサは使わずに中心部にあるブラシ状に束ねている山つつじの小枝に産卵をしに来るのが中に入るのだそうです。
漁の時期も決められていて、この時期の短い期間にのみ漁が行われ、明石市の二見沖でしか、この「もんどり」では獲れないそうです。海の条件的に、潮の流れが速くては、この「もんどり」が安定せず動いてしまい漁にならず、潮が遅ければイカが来ない、というわけで、明石市の二見沖がその条件に合っているということです。
ですから、同じ明石の他の漁港では、この「もんどり」漁はされず、二見の漁師だけしかできないんだと言って、潮の速さの加減で二見だけだよと自慢されていました。地物のイカはさぞかしおいしいことでしょう。
大きい四角い網でできたかご漁もありますが、どちらも漁師さんだけが知っているイカや魚の通り道や寄り場にもんどりやかごを仕掛けて待つのですね。山の猟師さんの獣を獲る仕掛けと一緒ですね。あれも、猟師さんだけが知っている獣道で待ちます。そのような知識というかノウハウは、親子代々伝わるものや、いろいろな苦労の中で編み出したものと思いますが、場所に時間に自然条件など様々な要因を経験値で覚えられているのは、ものすごいことです。
もうすぐに始まるタコツボ漁も待ち受ける漁です。そのタコですが、この冬の低温の影響で川の水温が大きく下がり、その影響で5℃以下に底潮の水温が下がったということです。その結果、タコは生存できる水温の6℃を切り、随分死んだようだという話を聞きました。なるほどと思えるお話でしたが、昨年はタコは豊漁でしたが今年のタコは、どのようになるのでしょうか。タコ釣りが好きな私は、ちょっと不安です。
メバルの楽しい話が聞こえ、漁師さんのタコやイカの話も出てきた、よい季節になってきたのですね。