奥の深いタコ釣り、騙し合いを制する楽しさ
meikeimaruのボート釣りHowTo
日本全国で呼び名は、タコはタコです。
様々な種類のあるタコですが、何と言っても一番人気がある美味しいタコは、マダコです。そのマダコも明石のマダコとなれば、明石タコというブランドです。確かに、潮の流れの速い明石の海で育ったタコはうまみが違う一品です。
市場では、タコは、常に需要が供給を上回っており、それをアフリカや最近ではメキシコからの輸入で満たしているそうで、その中でもブランドとなると「明石タコ」でしょう。市場価格も違いますし、食べてみるとうまみ成分がまったく違うようなおいしさです。
江戸時代から女性の好むものとして「芝居、浄瑠璃、芋、蛸、南瓜」と言われたり、または落語に出てくる女性の好物が「芝居、こんにゃく、芋、蛸、南瓜」と言われたと言って、「芋、蛸、南瓜」という言葉がありますが、実際に本当に好きな方々が多いですね。美味しいですものね。
夏の8月から9月にかけて産卵して、新子と呼ばれる連中が1年後くらいに元気に出てきますが、越冬の時の水温が問題です。タコは、水温が5℃まで下がると死滅するそうで、2018年の冬は厳しい寒さで、雪解け水が災いして、底潮(冷たい水は下に行く)が5℃以下になり、相当タコが死んだと、二見の漁師さんから聞きました。残念なことです。タコの寿命は1年という説もありますが、どうもおかしく、1年で3kgをこす巨体になろうはずがありませんし、1年の寿命ならば、明石タコの産卵は8月から9月ですから、すべてが同じ大きさになるはずです。だから、1年ではなく、もっと長生きなのでしょう。
さて、楽しいタコ釣りについて解説します。
難しい仕掛けはいりません。集寄のタコビラがあって、その下にタコエギがつくという単純な仕掛けです。釣具屋へ行けば、簡単にそろいます。しかし、その種類の多いことで悩んでしまうかもしれません。
タコエギの選び方
- タコエギは、とにかく様々な種類が売られていて迷いますが、基本色は、ピンク、蛍光グリーン、イエロー、オレンジ、白、黒の6色で十分です。
- 形も私はオーソドックス(安価)なものを使用しています。
- スッテ、イカ用を応用もありますが、タコスッテ。スッテの方が良い日があるので、何種類か揃えておけばOKです。奇抜な形のエビカニタイプは、まだ疑問視。
- 集寄①=タコビラ 派手目を用意しましょう。タコの縄張りへの侵入者として見てもらわないとタコ釣りは、成立しませんので、派手にします。赤や銀のテープ状のものは、くしゃくしゃに揉んで、光の乱反射が起きるようにします。
- 集寄②=タコエギに取付のヒラヒラ エビやカニのひげや足などをまねしたヒラヒラ。私は効果ありと思い、頻度高く使用していて、結構好んでいます。
こんなところだと思います。タコの習性は、非常に縄張り意識が強いことです。基本的にタコ釣りは、この縄張り意識を利用しているものですから、集寄のタコビラは大事な要素で、侵入者になりきらなくてはいけないために、タコビラの集寄は肝となります。一番最初にタコに見せるのは、この集寄であり、タコエギではありません。
集寄をまず最初に見たタコが、「なんじゃおまえ、どこのやっちゃ、はよ出てけ」と集寄のタコビラを見て近づいて来たのちに、エサのようなタコエギを見つけ、「おっ うまそうな食べ物があるな。どれどれ。」というストーリーです。
タコ釣りは、群れで回遊するのを待つのでもなく、撒き餌で寄せるのでもなく、こちらから縄張りに侵入して行かないと釣れない釣りです。ある意味、結構乱暴な釣りかもしれませんが、ストーリーは、かなり面白い釣りですので、ご自身でストーリを想像しながら組み立てして釣ってみてください。
タコロッドとリール
- ロッド 以前ハードタイプの胴付きサオを使用していましたが、ダイワのタコ専用ロッドにしたらアタリがわかりやすくなり、またバレが少なくなったのは間違いありません。2018年からシマノもラインナップされましたが、専用ロッドはおすすめです。
- ロッドは、1.5mを使用。短いことにより、重心が手前になりタコの場合は釣りやすく、前アタリがわかりやすいです。
- リール シマノだと800番台クラスでPE3号の組み合わせで十分。手巻きか電動かとなると、40-50mのポイントの時は、やはり電動がありがたく、浅い水深のところでは、軽い手巻きリールが扱いやすく、楽しいです。
ロッドは、ボート釣りや船釣りで長く使うならば、専用ロッドがおすすめです。専用ロッドを使うことで、明らかに釣りやすくなったことは、間違いありません。だから、シマノも参入したのでしょう。
電動リールは、確かに便利。仕掛けは結構重いしタコの重みも加わるので、40-50mからの巻き上げは結構たいへん。しかし、このタコの重みが楽しみでもありますので、深場限定で電動リールに分があります。それと、もう一つの利点は、電動リールの巻き上げは一定速度のため、タコが巻き上げ途中でバレるのを防止できるのが大きいです。10mならば、リスクが小さいですが、50mでは、それなりの巻き上げ速度のバラツキによるリスクが生じます。神戸沖の90mポイントの太刀魚釣りや青物ののませ釣りにも電動リールは使えますし、おすすめです。
タコ釣りのポイント
- エサ釣りより手返し速く便利なタコエギやスッテの疑似餌釣りが主流です。
- オモリ30 40 50号を水深と潮の流れで選ぶ。確実に底が取れることが基準になります。
- 誘い① オモリが着底したら底をたたくようなイメージでサオを少ししゃくり、再び着底させます。これを繰り返していると、タコが来るとしゃくるときに少し重みを感じるので、ひと呼吸待ってアワセを入れます。
- 誘い② オモリが着底の状態で、サオ先を上げたり下げたり小刻みに震わします。オモリが海底から離れずタコエギがブルブルユラユラの状態を作ります。これを何回か繰り返したら、オモリを着底状態でいったん止めます。止めている時は、サオ先に少しテンションをかけてラインを張って待つ。アタリが無ければ、繰り返し続けます。
- 前アタリ あの8本ある手か足の1本でタコエギを触りに来ます。これが前アタリで、ヌんとした軽い重みが出ます。ここで合わせては、かかりません。ひと呼吸かふた呼吸、これがその日ごとの状況ですが、まずは一呼吸待ちます。そうすると、タコの足の8本の付け根の口で食べようとタコエギに乗っかってきて、大きな重みを感じます。
- アワセ ひと呼吸待った後に必殺の強烈な合わせを入れます。精一杯に思い切りしゃくること。最初タコはつかんでいるだけなので釣られては来ますが、タコエギのフックにタコをかけなくては、途中で逃げられます。力いっぱい合わせないと、あとで悔しい。これで、ズンッと重みが出るところが、タコ釣りの真骨頂で、これが最高です。
- タコは、縄張り意識が強いので、タコビラというエギの上につける集寄のテープ状の派手なのをタコは、縄張りへの侵入者と見ます。侵入者が来たので、近くに寄ったところ、エサみたいのがあるので、「どれどれ」と来たのを釣るわけですので、侵入者としてタコに見つけてもらわないと釣れません。
タコの誘い方は、確実にうまい下手が出ます。乗合釣り船の釣果で、上手い下手は20倍以上の大きな差になって現れますが、この差です。どのくらい侵入者になっておびき寄せ、タコエギをエサに見せるかの差です。こればかりは、経験値ですから場数を踏む以外にどうしようもありませんが、常に、侵入者の動きを忘れないようにしてストーリーを組み立ててください。
タコは、縄張りを持って、学習能力の高いことが学術的にも発表されていますが、タコの縄張りを荒らしに行く侵入者になりきるストーリーを頭に描きながら、タコゲームに向かってください。そして、タコの縄張りは、住み心地の良いところならば、釣られて無人(無タコ)になった縄張りに次のタコがすぐに入ります。だから、釣れたポイント、さらには釣れた潮の筋は、確実にGPSにポイントしてください。それが、毎年の宝物になります。
アワセ、これは大事です。必殺アワセと書きましたが、まさに必殺アワセです。前アタリのヌメッとした軽い重みを感じたら、ひと呼吸ふた呼吸待って、1 2 3 4 GOと 力いっぱいにアワセを入れるのは、誘いほど上手下手が出ませんから、思い切りうっぷん晴らしのように「必殺アワセ」を入れてください。そして、ズンッと重みが来たら、これぞタコ釣りの真骨頂が味わえます。この重みが楽しくて、タコ釣りしています。
タコ釣りは、たいへん面白くタコゲームですが、食べるのもこれまた楽しみです。
定番の茹でだこ、煮ダコ、天ぷら、オリーブオイルとニンニクの炒め物、タコ飯、焼きダコ、何をしても美味いのがタコです。タウリンたっぷりの栄養豊かでおいしいタコを釣って、思いきり食べましょう。なんと言っても、明石のタコは「さかなクン」もすすめるブランドの明石タコです。
最後に、明石沖のタコ釣りには釣り方や釣り場の規制があります。ルールを守って楽しいタコ釣りをしましょう。その規制ルールはまとめましたので、ご覧ください。