船外機ボートエンジン定期メンテナンス 2

燃料フィルター、プロペラ、バッテリーの定期メンテナンスを実施します。

 meikeimaruのボートメンテナンス

これまでにエンジンオイル、オイルエレメント、ギアオイルの交換やグリスアップの方法、さらにスパークプラグの交換 シリンダーアノードの点検交換 については、ご紹介しました。

 エンジンオイル、ギアオイルの交換のページは、こちら

船外機のエンジンオイルとオイルエレメント、そしてギアーオイルの交換を誰にでも簡単にできる方法で、写真入りで解説。ボートオーナーの日常メンテナンスのひとつとして、自分でメンテナンス作業をする面白さを体験ください。

 グリスアップのページは、こちら

ボートの船外機エンジンのグリスアップ手順です。初めての方もできる簡単な作業でありながら、海水からエンジンを守る大事なメンテナンスです。人でいうところの関節部分ですから、このメンテナンスでエンジンの耐久性寿命が大きく変わります。

 スパークプラグの交換  シリンダーアノードの点検交換のページはこちら

ボートエンジンの船外機の定期メンテナンスで、スパークプラグ交換、アノード点検交換、運転時間累計に合わせて油脂や部品の交換点検等のメンテナンス項目を、DIYで誰にでもでき、エンジンの仕組みを、わかりやすく説明します。

 今回は、次の項目です。

○ 燃料フィルターの交換

○ プロペラグリスアップ

○ バッテリーメンテナンス

 燃料フィルター(エンジン側)の交換

エンジン側の燃料フィルターを交換します。

メーカー推奨交換時間 200時間

ガソリンのゴミをここで取り除きます。もう1個、フィルターは燃料タンク側についている場合もありますので、そのチェックも実施します。

エンジンと燃料タンクは、燃料ホースでつながっていますが、燃料ホースはゴム製ですので、経年変化による劣化がありますが、現時点では継続使用可能でした

フィルターには、水検知の機能も付随しています。ガソリン内の水分がここで貯まります。フロートがついていて一定レベルになると検知しますので、フィルター交換をしなくてもケース内のガソリンを廃棄して水を取り除くのも目的です。

 点検交換方法

燃料フィルターは、プラスティックの透明ケースに入っていて、ガソリンが溜まっています。水が入ると比重にて下に溜まり、フロートが動きます。

船外機カウルを外す

船外機カウルを外す

このプラスティックケースを回転させて取り外します。上下さかさまになっているので、左回転を間違えないようにしてください。

フェールカートリッジを外す

フェールカートリッジを外す

外したケースから、ガソリンとして廃棄し、差し込まれているだけの燃料フィルターを外して交換します。

同時に、プラスティックケースのゴム製ガスケット(オーリング)を交換して、プラスティックケースを取り付けます。

ガソリンですから、きちっと取り付けて完了です。

燃料フィルター新旧

燃料フィルター新旧こんなに汚れるもの

 必要なパーツ

  • 燃料フィルター ×1個
  • ガスケット ×1個
  • 純正パーツですので、メーカホームページのパーツリストで確認してください。

 必要な工具

  • 手作業でできますので、工具は必要ありません。
  • ガソリンを廃棄する入れ物が必要。

 プロペラグリスアップ

ステアリングとエンジンチルト装置のグリスアップが100時間指定ですので、同じグリスアップですから、同時に実施すると手際が良いようになると思います。

船外機のプロペラグリスアップ

船外機のプロペラグリスアップ

プロペラグリスアップは、可動部分のグリスアップではなく、固定部分にグリスを塗付、海水塩分による固着防止が目的です。同時に、プロペラシャフトのドライブとのシールに問題が無いかを点検します。

このドライブシャフトの根元に釣り糸が巻き付いているケースがあります。知らずに放置しておくと、ドライブシャフトのシールが損傷して、海水がギアケースの中に入り込みます。ギアオイルの交換の際にオイルが白濁していたら、原因の多くはこれです。

ギアオイルの交換作業の際には、プロペラグリスアップでの脱着を行うと、トラブルを未然に防止できます。

 実施方法

プロペラシャフトの先端にナットの緩み防止で割りピンが入っていますので、マイナスドライバーやプライヤーを使って抜きます。

27mm(F115Aの場合)のプロペラレンチでナットを外します。この際に、木をプロペラに挟むと回転が止まります。

プロペラを外す

プロペラを外す

ナットの奥にワッシャーがあり、その奥のスペーサーとプロペラを外します。

プロペラの奥にもスペーサーがありますので、これも抜き取ります。釣り糸があるとすれば、このスペーサーを抜いた辺りにあります。

取り外した各パーツは古いグリスを取り除く

取り外した各パーツは古いグリスを取り除く

プロペラとスペーサーが2枚、ナットとワッシャーが、構成部品です。

これらパーツとドライブシャフトの古いグリスをパーツクリーナーできれいにします。

パーツクリーナーを使う

パーツクリーナーを使う

次に、ヤマハグリスDをドライブシャフトと奥のオイルシール付近に塗ります。奥のスペーサーを裏表を間違えないように組みます。奥側になる方に釣り糸などが巻き込まれる溝がありますので間違えないようにしてください。このスペーサーにも両面にグリスを塗ってください。プロペラナットとスペーサーですが、どちらも右側がシャフトの奥になる部分です。

組み込みの際は表裏を注意

組み込みの際は表裏を注意

シャフトのスプラインにもグリスを塗り込みます。

プロペラシャフトにはグリスを塗り込む

プロペラシャフトにはグリスを塗り込む

プロペラには、スペーサーが当たる部分などに塗り込みます。
ここで、グリスを塗り込んでおけば、塩で固着することも防止でき、次の脱着もスムーズにできます。

プロペラを奥まで押し込む

プロペラを奥まで押し込む

グリスを塗ったら、プロペラを装着します。スプラインの溝にはまるように回して入れます。溝にはめて、奥まで押し込みます。

前のスペーサーにもグリスを塗って入れ、次に、ワッシャーを入れます。

ナットを入れますが、表裏があり、溝の切ってある方が手前ですので、手で奥まで締めてください。

プロペラナットをねじ込む

プロペラナットをねじ込む

外した時と同様に、プロペラ上に木を当てプロペラの回り止めをします。

プロペラレンチできっちりと止める

プロペラレンチできっちりと止める

レンチでナットを締めこみます。最後にプロペラシャフトの割りピンを通す穴と、ナットの穴が一致した場所で止めます。

ナットと割りピンの穴を一致させる

ナットと割りピンの穴を一致させる

最後に割りピンを入れて、先端を曲げます。割りピンには、長い方と短い方がありますが、長い方を手前にします。割りピンは、必ず新品を使ってください。

プロペラシャフトに割りピンを入れる

プロペラシャフトに割りピンを入れる

船外機マニュアルのプロペラの項

船外機マニュアルのプロペラの項

 必要なパーツ

  • ヤマハ グリスD
  • 割りピン
プロペラ脱着必要工具とグリス

プロペラ脱着必要工具とグリス

 必要な工具

  • マイナスドライバー(最初の割りピン起こし)
  • プロペラレンチ 2面幅27mm ボックスレンチも使用できます。船外機機種によってナットサイズが違います。YAMAHA F115 の場合です。
  • プライヤー
  • ウェス

 バッテリーメンテナンス

電気のための大事なバッテリーです。点検の際には、バッテリーの状態も確認して、メンテナンスをします。最近のバッテリーは、メンテナンスフリーで補水の必要も無く、難しいことは何もありませんが、手入れです。問題になるのは、塩害による腐食と、端子の緩みです。この対策をします。

 メンテナンス方法

補水が必要なバッテリーの場合は、バッテリー液の規定量を点検して、不足ならば蒸留水を補います。

バッテリーメンテナンス

バッテリーメンテナンス開始 これはハウスユース用バッテリー

バッテリー本体やケーブルに損傷等が無いかを点検します。写真は、サブ用のハウスユースバッテリーです。エンジン用のスターティングバッテリーは、別に搭載です。

バッテリーターミナルの取り付けやケーブル接続にゆるみが無いかを点検して、必要に応じて増す締めします。

その際に、バッテリーターミナルの古いグリスがあれば、ウェスで拭き、新しいグリスを薄く塗りこみます。

バッテリー端子をきれいにして充電

バッテリー端子をきれいにして充電

電源が確保できる場合は、メンテナンスの日の1日に充電をしておくと都合が良いです。

この時に、キャップのついているバッテリーでは、キャップを開けることや、水素ガスの発生に備えて換気のハッチを開けるというような、バッテリー充電の基本を実行してください。

meikeimaru もハウスユースのバッテリーには、こういう機会に補充電をしておきます。

 必要なパーツ

  • ヤマハ グリスA
  • 充電器(必要あれば)

 必要な工具

  • メガネ/スパナ(10,12,13,14mmがあればOK)
  • ウェス

必要となるメンテナンスの点検や部品交換です。これ以外にも交換部品がありますが、マリーナやマリンショップといろいろと相談をしていくと便利です。

さらにいろいろなメンテナンスの項目をページにしていきます。ご参照頂ければ幸いです。わからないことは、マリーナやマリンショップで部品を購入がてら聞くと、理解が早くなります。

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