ボートの出航前点検 発航前検査

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車と違いエンジン故障は、かなり深刻な問題

meikeimaruのボートノウハウ

ヤマハ船外機 F115A 内部

ヤマハ船外機 F115A 内部

meikeimaruのボートノウハウ。テーマは、「発航前点検」

小型船舶の船長が遵守しなければならない事項のひとつに、発航前の検査実施があります。

プレジャーボートの海難の約4割は、機関等の点検不足に起因するエンジン停止・航行不能となる事故という統計が海上保安庁のHPや、配布されているガイドブックなどに掲載されています。そのような状況から、国土交通省は法改正を行い、平成28年7月1日より「発航前の検査義務」や「見張りの実施義務」が不良による海難は、処分対象になりました。言い換えると、点検していれば事前防止ができたのにもかかわらず、未実施の結果発生したものは、船長の処分対象ですという、たいへん厳しいものです。

何らかの問題が生じ、沖で航行不能になれば、最悪は命のやり取りですから点検は、必ず実施をしたい思いです。

車両や荷役機器の場合は、始業前点検と言って、これも業務の場合は法制化されています。営業車両の場合は、始業点検をおろそかにしていると、非常に厳しい処置が運輸局から下されます。ボートは、自家用でも船長として「発航前検査」が義務付けされています。どのような項目かをまとめました。

 発航前検査チェックリスト項目

エンジン始動前の検査

○船体検査
  • 船体に亀裂や破口はありませんか。
  • エンジンルームや船底のビルジの量は普段より多くないですか。
○エンジンの検査
  • 航海計画に見合った燃料は十分にありますか。
  • 燃料コックは開いていますか。燃料フィルターや油水分離機にゴミや水分の混入はないですか。
  • エンジンオイルの量は十分にありますか。
  • 冷却清水の量は十分ですか。
  • バッテリーの液量は十分ですか。また、ターミナルは十分締め付けられていますか。
○救命設備等その他の検査
  • ライフジャケットを着用しましたか。
  • 通信手段の充電量、予備バッテリーを確認しましたか。
  • 気象・海象情報、水路情報は確認しましたか。

エンジン始動後の検査

○エンジンの状態確認
  • 回転計、冷却水温度計、油圧計、電流計または電圧計が正常値を指していますか。
  • 冷却用の海水は通常通りの量および勢いで排出されていますか。
  • エンジンから異常な音や臭いは出ていませんか。

これが、法で定められている発航前検査チェックの項目で13項目です。

発航前検査チェックリスト 海上保安庁

発航前検査チェックリスト 海上保安庁

海上保安庁HPより出典(確認済)

エンジン取付位置の船外機や船内機等の違いやガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違い、または不要項目が出てきますが、それは自船に合わせるようご確認ください。

  • 係留されているボートの船体周囲を喫水線含めて、目視で確認。
  • エンジンルームか船外機のエンジンカウルを開けて、水オイルを確認。その周囲にビルジや塩の痕跡等々、普段と違う異常がないか。
  • 燃料フィルターや油水分離機の水ゴミを確認。
  • バッテリーターミナルと液量の確認。
  • 携行燃料タンクならば、燃料残量とエアベントスクリューを確認。
  • 通信手段を確認。
  • 乗船者全員がライフジャケット着用を確認。
  • 本日の航行計画を確認。
  • スロットル中立を確認して、エンジン始動で、各メーターの正常値を確認。
  • 燃料メーターの残量を確認。
  • 冷却水は、普段通りに排出しているかを確認。
  • エンジンの音、振動、臭いを確認。

この様な流れかと考えられますが、それぞれのやり方がおありでしょうから、やりやすいようにして実施すればよろしいのではないでしょうか。

乗船前に既にできることもありますので、実際には数分の作業です。船外機の場合のエンジンカウルを係留状態で脱着するのが少々やりにくい以外は、問題がないと思います。

たったこれだけのことですが、これだけのことをしなかったために、事故につながるようなことになったのでしょう。さらには、海上保安庁が把握していない未然の件数まで含めたら、さらに大きな発生件数となるのではないでしょうか。

発航前検査以外に、日常的な点検整備となると項目が多くなりますが、エンジン種別ごとの点検整備について、日本小型船舶検査機構のHPに詳細なマニュアルが掲載されています。参考にご覧ください。

出航前に怖がりの私は実施していますが、これまで幸いなことにこの項目で不具合が出たことはありません。だからと言って、これからも問題がないことは無いので、日常的な点検整備と併せて続けてまいります。

 私が付け加えていること

  • 舫を解く前にエンジンコントロールレバーをアイドリング状態で前後進を1回入れて、通常動作かを確認します。舫を解いてから不具合では手遅れです。
  • 5分航行したら、一旦ボートを止めてエンジンの音と臭いと冷却水の検知口を再確認します。

 航行中に気を付けること

  • 船体に何らかのブルブルと振動が発生したら、まずはゆっくりと停船します。ドライブに何かが絡まっている可能性がある。視認して確認、エンジンまたはドライブをチルトアップさせ、取り除きます。
  • ロープ、海草、木の枝等々が、プロペラに巻き付いた場合は、衝撃があったり、振動が大きく除去作業は容易でない場合があります。ドライブに引っかかっているだけだと振動は小さいです。
  • 水温計の異常上昇や水温アラームが鳴ったら、コンビニ袋みたいのがドライブの取水口に張り付いている可能性大きく、オーバーヒート直前。ドライブ等をチルトアップして取り除けば、解決します。しかし、アラーム音は、かなりびっくりします。

これらの防止方法は、前方注視しかありませんが、特に潮目の通過を気を付けます。潮目は釣りのポイントとして魚も集まりますが、大雨の後などは河川からの木やごみが集まります。豪雨の後は、シーソーができそうな丸太もざらですし、木やロープは、時間とともに半没状態になり水面から見えない場合があります。プロペラに巻き付いたり、木に当たり破損したりすると、問題が大きくなります。特に大雨の後は、前方注視と、潮目での減速は必要になります。
これらのトラブルは、航行不能になる場合があり、本当に怖いので、注意をなさってください。

 持っていたいもの

  • 工具一式 ドライバープラス・マイナス、プライヤー、ラジオペンチ、スパナ一組、プラグレンチ ガムテープ、ビニールテープ、ブースターケーブル、ロープ切断用ナイフ。
  • 携帯電話の充電用品 予備電池かシガーソケット(あれば)からのアダプターとコード 電波到達圏外に行くと電波を探そうとして、電池消費が急激に増える。
  • 救急用品 けがの対策 カットバン、消毒液等は最低限必要。

考えたらきりがないくらい必要なものはありますが、ボートで出航したら孤島や山中にいるのと同様です。コンビニもガソリンスタンドもありません。周囲はすべて海ですから、ボートの上で解決しなくてはならないのが難問です。準備万端と思っていても、うっかりミスをしてしまって困ったり、あとで思い起こすと冷や汗ものだったり、無事だったのを後でドキドキしたり、恥ずかしながら私も様々です。

船体の破損はもちろんですが、推進力を失うエンジントラブルは、海の上ではとても危険なことです。点検や必要な備品を揃えるなどをなさって、備えあれば憂いなしにして、安心して、楽しく、ボート釣りをしましょう。

海上保安庁HP 船体・機関の発航前点検 より各資料出典(確認済)
https://www6.kaiho.mlit.go.jp/info/marinesafety/hakkomae_tenken.html

<海上保安庁HPコンテンツ使用は確認済>

http://www.kaiho.mlit.go.jp/05kanku/contents/information/#1 より出典

今釣れている旬の魚の実釣記録です。狙った潮で釣った胸のすく釣り、まぐれで嬉しい釣り、実力の貧果まで、来年の今日のための実釣記録です。99.9%ひとり気ままに午前中だけの釣りですが、おいしい魚の釣りものを参考にどうぞ。
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