航行中に霧に遭遇するとそれは怖い
meikeimaruの 海のいろいろ
meikeimaruの海のいろいろ。テーマは、「霧の怖さ」
航行中に霧に出くわしたり、釣りの最中に霧に包まれることは十分に考えられます。基本は逃げるのですが、遭遇しないようにするのが肝要です。この4月に2回も霧に出くわし、帰港をしました。釣りができなかったのは残念ですが、霧の中は魔界です。
見るのはきれいで幻想的な霧ですが、その中に入ると恐怖だけで、逃げ場のない海上は数倍恐ろしいです。
〇霧のメカニズム
〇海上保安庁 海の安全情報
〇海で霧と出会ったら
〇あとがき
霧のメカニズム
霧は、空気が冷えて、空気中の水蒸気が水滴になったものが霧です。良く晴れた風のない日に生じやすく、気温が高くなると消えます。
晴天で風が弱ければ、ボート釣りの好天気ですから、厄介なことに出くわすことも多くなります。海水温と気温の温度差が大きい時に発生しやすく、温かい気温の空気がまだ冷たい海水温の海に出る春や、冷たい空気が温かい海水温の海に出る秋は、播磨灘北岸地域に霧が発生することが多いですが、夏も冬も発生は十分にあります。
晴天予報の朝、妙に生暖かい春の朝や、秋に放射冷却で冷えた日は、特に要注意です。
海上保安庁 海の安全情報
海上保安庁の緊急情報配信サービスなるものがあり、天気の注意報や警報、航行上の注意情報などをメールされます。簡単な登録で、24時間配信されますので、便利です。
情報エリアや種類が選択できるので、私は、播磨灘での警報級情報と霧情報を選択しています。
霧の場合は、このようにメールされます。
2022/4/27 09:30 第五管区海上保安本部 発表
巡視船などからの情報によれば、4月27日 09:10現在、明石海峡付近の視程は、500メートル以下となっています。
付近航行船舶は注意して下さい。
●対象海域 明石海峡2022/4/13 09:25 第五管区海上保安本部 発表
巡視船などからの情報によれば、4月13日 09:10現在、姫路港付近の視程は、1,000メートル以下となっています。
付近航行船舶は注意して下さい。
●対象海域 姫路港
海で霧と出会ったら
出航前に霧発生ならば中止ができますが、航行中だと判断が必要になります。迂回にもリスクありで、基本は、引き返すか、釣りの場合は目的地変更でしょう。
私の海で霧と出会った時の対処方法
- 往路ならば引き返す。
- 釣りの最中ならば、一気に風下側へ逃げる。
- 霧は、気温が上がれば消える確率がかなり高いが、海上で待機はできにくい。
気温が上がる帰路は、心配することもないですが、朝は注意が必要です。
出航時の私の霧に対する物差し
- 上島が見えるか。
- 淡路島や明石海峡が見えるか。
- 加古川河口から霧が流れていないか。
目的地が、家島方面か明石海峡方面かの違いはありますが、画像の明石海峡の霧は、高倉瀬まで結構な速さで来ました。また、上島が見えない時の家島諸島は、かなり危険度が高く、沿岸部にポイント変更です。
霧は襲ってくる
霧は襲ってくる。航行中進路方向に霧があった場合は、近寄ることは厳禁です。その向こうに目的地の釣り場があってもあきらめて逃げるが肝心です。
釣りをしていると、音もなく霧は風に乗って風上側から襲ってきます。あたり一面が霧に包まれ始めると、速いのなんの。3m/sの風に乗って流れてくる霧は、時速10km/h以上の速さで移動をして、はるか向こうで見えていた霧の塊が襲ってきます。経験してみると、まさに、風林火山「速きこと風のごとく、静かなること林のごとく、 侵しかすめること火のごとく、動かざること山のごとし」、静かに速く動き、覆われ始めたら風下へ尻に帆をかけて逃げ出します。
早い段階ならば、「手遅れにならないうちに脱出」5-10分多少は視界が残る薄い霧の中を走れば魔界脱出ができます。
- 霧は、視程を失う。
- 霧は、方向感覚を失わせる。
霧の中の航行は、レーダーがあれば目となりますが、無ければGPSとコンパスで、風下方向に脱出です。霧に対してのプレジャーボート無力で、沿岸漁船は、レーダー搭載が少ないです。
霧の流れるスピードは想像以上に速く、あっという間に襲われます。陸上ならば逃げ込んで待機する場所がありますが、海上はどこにも安全に待機する場所はなく、近寄らない、逃げる、が鉄則です。
あとがき
私は小心者で、波が高い、風が吹く、多分係留地では中止や早々に帰港の回数は一番でしょう。釣りのボートで、命がけは……。
レーダーがあれば大丈夫と思いがちですが、夜間航行と違い方向感覚が麻痺したらレーダー見ていても同じようなものです。だから、他船に突っ込まられる可能性が高くなるということで、ましてや大型船は回避できませんし、漁船は見えなくても全速力です。霧は、「出航中止」か「逃げる」です。
霧は最重要の用心が必要です。