船外機の定期的メンテナンスは絶対に必要
meikeimaruのボートメンテナンス
フィッシングボートのエンジン、船外機は大きく進歩をして、定期交換部品や油脂類の交換を確実に実施していると、かなりトラブルフリーに近づけます。100%のトラブルフリーは困難にしても、海上でのトラブルを高い確率で防止できるのは、心強いです。
何でもかんでも工場だとコストもかかりますが、自分でできることからDIYすれば、コストは部品代だけですし、同時にスキルアップです。また、DIYなかなか楽しいのもいいですね。
今春の船外機定期交換項目
○ ギアオイル交換
これらは、DIYですので、簡単に内容を後述します。また、アノード/ジンクの交換は簡単ですので、DIYを別途記事で紹介します。
これら以外に、プロに任せた工場依頼があります。
- インペラ交換
- サーモスタット交換
昨秋、タイミングベルト交換を依頼しましたが、船外機エンジン内部のメンテは工場依頼するようにしています。
そして、1年間の汚れ落とし等の艇体へのホワイトニング作業です。水垢落としにワックスがけで、きれいになりました。
さて、実施項目です。
エンジンオイル、オイルエレメント交換
メーカーマニュアルだと運転時間100時間での交換です。
100時間のタイミングというのは、結構早いです。特に流し釣りをしていると、時間の半分以上がアイドリングになるので、もったいないと思いがちですが、アイドリング回転は、最高回転域の次にエンジンに負担がかかっている状態だそうです。おおよそ100-130時間で交換しています。
また、オイルエレメントは、200時間を目安にして2回に1回で交換します。
自動車エンジンに比較すれば、遥かに大きな負担がかかっている船外機エンジンですから、オイル交換のこまめさは必要でしょう。船外機のカウルにはスプレーがかかり塩がたくさんついていますが、吸気の際にその塩が100時間分エンジンに入れば、当然オイルに塩分が多く含まれると考えられます。いかがでしょうか。
交換手順などの詳細は、別途ページがありますので参考にしてください。
ギアオイルの交換
メーカーマニュアルだと運転時間100時間での交換です。
密閉されたギアケースの中で使用されているギアオイルの場合、100時間で交換すると、新品の状態と何ら変化していないくらいにきれいな状態です。エンジンオイルは、係留状態でもポンプを使用すれば交換ができますが、ギアオイルは、上架作業ですのでメーカーも余裕を取っていると思います。
あとは、使用状態との判断ですので、様子を見ながら行ってください。私の場合は、エンジンオイル2回に1回の割合にしています。それでも、汚れが特に気になるほどにはなりませんし、ドレンプラグに付く鉄粉の量も多くならないので、しばらくこのペースですすめています。係留艇の場合は、上架のタイミングです。
怖いのは、釣り糸などをプロペラシャフトに巻き付けオイルシール損傷が生じ、水が浸入しているのがわからないことがあるので、この注意は必要です。
交換手順は、先のエンジンオイルの交換ページに記していますので、参考にしてください。
プロペラシャフトグリスアップ
プロペラグリスアップのタイミングは、上架時に必ず実行してください。
なぜならば、グリスアップそのものの劣化は大きくありませんが、前述の釣り糸の巻き付きのトラブルがあります。オイルシール側のスペーサーには、釣り糸がスペーサーに巻き付く構造ですが、万全ではなくオイルシールを傷つけることがあります。そこから海水が入り、ギアオイルは白濁状態になります。
PEラインは、細くそして水に浮く性質のため厄介です。浮遊状態のラインを巻きこむのは、少なくありません。
プロペラ付近を見るとラインが見えることもありますが、完全に巻き込んでいるとむずかしく、オイルシール損傷からのギア損傷防止のためには、上架のタイミングで、必ずプロペラを外して、釣り糸等の巻き付きの有無をチェックするのが、後で「しまった」にならない方法です。
プロペラの脱着とグリスアップは、容易にできますので次のメンテナンスのページを参考にしてください。
チルト/ステアリンググリスアップ
自動車の整備では通常はグリスアップなどはなくなりましたが、海水に常に触れている船外機では、定期的なグリスアップが必要です。
船外機のトリムやチルト、またステアリング操作をする可動部分は、海水で常に濡れています。これは機械にとってはとんでもないことですが、船外機エンジンの宿命です。
可動部分を保護して、円滑に稼働させるにはグリスアップは、定期的に必要です。ギアオイル交換、プロペラグリスアップという作業の際は、実施しておくのが無難です。給脂ニップルの場所を把握してしまえば、さほどの時間が必要な作業ではありません。
給脂ニップルの場所は、マニュアルを参考にして見つけてください。チルトを上げないと出現しないところや、ステアリングを動かさないと給脂ができないような、知恵の輪みたいな構造ですので、チェックしてください。
新しいグリスが給脂されと、見ているだけで安心な感じがします。
グリスアップの作業手順は、次のページを参考にしてください。
フュエールカートリッジ交換
メーカーのマニュアルでは、100時間で清掃になっていて、余裕があります。
汚れの状態を目視しておいてください。また、大気からの水が燃料タンクに含まれて来て、それを取り除くのもカートリッジの役目です。エンジンオイル交換の際にカートリッジを外して、中のガソリンを廃棄すれば、溜まった水分があれば取り除かれます。
今回は、カートリッジごとアッセンブリー交換をしましたが、汚れがある場合、フィルターの交換だけで通常は問題ありません。
エンジンが航行中に停止する場合の原因に含まれるのが、このフィルターの汚れや水分です。チェックしてください。
フュエールフィルターの交換手順は、次のページを参考にしてください。
イケス排水ポンプの設置
例えば、イケスのサイズが、100cm×50cmで水深が40cmだとすると、水の重さは約200kgになります。大人3人分の重さですので、同じ回転数でも2ノット以上の航行速度の変化が出てきます。不用の時はイケスは排水しておくのがベターです。こんなビルジポンプを流用すると手軽にできます。
アジ活かし用のコンテナへの給水やデッキウオッシュとして、どんどん海水をくみ上げてくれます。低価格のビルジポンプで十分に機能してくれます。
艇体のホワイトニング
掃除です。1年間使うと様々な汚れが付いてきます。特に水垢を落として、クリーナー機能のあるワックスを塗るときれいな白色になります。
FRPは古くなると、コーティング剤を塗付ても浸み込むばかりで効果が出ませんが、従来からのワックスのコーティング成分のあるものだと、長い期間効果があります。しかし、24feet艇でもワックスを塗ると、とても大きく車2台分の作業量ですが、白くきれいになると嬉しくなり、気持ちが快適になります。
最後に、ロッドキーパー用台座の木部にオイルステインを塗付木の色が復活しました。木にオイルステインを塗るときれいな色に復活し、FRPに囲まれた中の僅かな木は潤いを感じます。
最後に電源があるならば、バッテリー充電を改めて実行しておくと安心です。特にディープサイクルバッテリーを使用している場合は、満充電をさせておけば当分心配することがありません。その時にバッテリーの端子の緩みやグリスをチェックしましょう。
いかがでしょうか。1年で最低水温の2月は、ターゲットも多くありません。それならば、マイボートのメンテナンスの時間を作るのが、1年間の稼働を約束してくれます。私の毎年のボートスケジュールです。