シリンダーアノード交換のDIY ヤマハ船外機 F115B

簡単なDIYレベルの船外機メンテナンス

 meikeimaru のボートメンテナンス

新品のアノード、グロメット、Oリング

新品のアノード、グロメット、Oリング

meikeimaru のボートメンテナンス。テーマは、「シリンダーアノードの交換」

小艇の備忘録です。次回は、2年先のことですから、どこをどう換えたかなとならないために、このページを作成します。交換場所さえわかれば簡単な作業ですから、機会があれば工賃稼ぎに手ごろなDIYレベルです。

船外機を見て、トリムタブとブラケットの下方にある大きなアノードは、その状態が見ればわかるというように露出しています。大きさが、2/3になったら交換というものです。しかし、シリンダーの中のアノードは、通常見えないので現状が把握できないです。メーカー推奨は、1年で100Hとか少々難ありですが、自分の船外機の状態を把握するために、今回の作業を開始しました。

〇 シリンダーアノードの交換時期
〇 交換作業
〇 あとがき

 シリンダーアノードの交換時期

現在の船外機の前のYAMAHA F115A の時にメーカー推奨200Hとされていましたが、とんでもなくまったく消耗していません。F115Bに換装して、シリンダーアノードの形状が変更されました。F115Aと同様なタイプは、スパークプラグ横に1個になり、冷却系と各所に小さなアノードが4カ所になりました。その他にもあるようですが、交換が必要なのはこの4か所と工場で確認をしました。

工場は、状況の違う係留艇から上架艇まで見ているので、一番わかりやすく教えてもらえます。

アノードは消耗品、新品時の寸法に対して、2/3程度まで消耗したら交換が基本です。

交換時間 メーカー推奨は、200Hとか聞きましたが、過去のF115Aでもそんなに早くなく、500Hは十分に機能していましたので、今回もこのタイミングです。係留艇だとこれより早めと言われます。係留艇でもチルトアップしていて、ブラケットには大きなアノードがあるので200Hは余裕でしょうが、運用時間より経過時間のほうが問題になるかもしれません。本体もガスケットも100円200円のレベルで、価格の高いものではありませんので、前倒しでの交換が無難です。

係留艇でもチルトアップをすると、海水を排水するので、シリンダーアノードには、電蝕が生じないことになりますが、それぞれの艇での使用状況を把握してみてください。最初は、工場推奨の時期で交換して、把握してみてください。これが最良の方法です。200-300Hで交換してみて、どのくらいの消耗になっているか確認すると、物差しができあがります。

小艇も今回の交換でそれが把握できました。

パーツリスト1頁 定期交換部品にアノードは掲載

パーツリスト1頁 定期交換部品にアノードは掲載

 船外機メンテナンス純正部品番号検索 のページ

パーツリストは、PDFでダウンロードして、プリントアウトしておくと非常に便利です。DIYレベルで作業の場合は、必読です。

 交換作業

小艇の作業手順で記しました。
疑義が生じた場合は、必ずかかりつけ医(日頃の工場)に確認ください。

 アノード1

F115Bパーツリスト P3 シリンダ&クランクケース1 の項
部品番号 6G8-11325-00 アノ-ド + 93210-13M63 O-リング

  • 船外機の頂点にあるタイミングベルトのカバーを外す。(ボルト1本止め)
  • タイミングベルトの真ん中にアノードのボルトがある。(全部このボルトの形態)
  • ボルトを外しアノード等を取り外す。
  • ドライバーでアノードを止めているボルトを外し、アノードとOリングを交換する。
  • 逆の順序で組み立てる。ねじ山に少量のグリス塗り付け。
  • 多分、このアノードが一番減りが多いが、500Hで良いタイミング。
カバーの左舷側にボルト、これを取る 後ははめ込みだけ

カバーの左舷側にボルト、これを取る 後ははめ込みだけ

カバーを外すとベルトの間にアノードのボルトがある

カバーを外すとベルトの間にアノードのボルトがある

ボルトにアノードが取り付けられているので、外す

ボルトにアノードが取り付けられているので、外す

アノード一式 アノードとOリングを新品に交換

アノード一式 アノードとOリングを新品に交換

 アノード2

F115Bパーツリスト P12 エキゾ-ストの項
部品番号 6EK-11325-00 アノ-ド + 93210-13M63 O-リング

  • 左舷側 オイルエレメント後ろのエキゾーストパイプにある。外見は同じ。
  • アノードを同様の手順で外し、交換する。
  • このアノードは、部品番号が違う。

エキゾーストパイプの真ん中にある

エキゾーストパイプの真ん中にある

 アノード3

F115Bパーツリスト P5 シリンダ & クランクケース 2 の項
部品番号 6G8-11325-00 アノ-ド + 93210-13M63 O-リング

  • 最後部のシリンダーヘッドカバー(樹脂製はめ込み)を外す。
  • 左舷側後部、イグニッションコイルの奥にある。
  • イグニッションコイルの取付ボルトを外し、コイルをずらして作業をする
  • アノードを同様の手順で外し、交換する。
  • イグニッションコイルを固定する。
  • ヘッドカバーは、最後のスパークプラグ横のアノードを交換清掃後取り付ける。

イグニッションコイルがあるので、これを外してからアノードを外す

イグニッションコイルがあるので、これを外してからアノードを外す

コイルを外せば、直線的に作業ができる

コイルを外せば、直線的に作業ができる

 アノード4

F115Bパーツリスト P33 アツパーケーシングの項
部品番号 6G8-11325-00 アノ-ド + 93210-13M63 O-リング

  • ボトムカウリングを止めている前側ボルト上下2本を外し、カウリングを開く。
  • 右舷側上部にアノードがある。
  • アノードを同様の手順で外し、交換する。
  • カウリングを装着してボルトで取り付ける。

カウリングの固定ボルトを上下2本外すとパかッと開く

カウリングの固定ボルトを上下2本外すとパかッと開く

右舷側にアノードがあるので同様に取り外す

右舷側にアノードがあるので同様に取り外す

 アノード5

F115Bパーツリスト P5 シリンダ & クランクケース 2 の項
部品番号 67F-11325-01 アノ-ド + 67F-11328-01 グロメツト

  • 1-4のアノードとは形状が違い、大きい
  • スパークプラグ2と3の間にある。
  • ボルトを外し、細いプライヤーで挟むと取り外ししやすい。
  • 500Hでは、交換するほどのことはない場合もある。
  • 今回はワイヤーブラシで清掃して再取り付けをした。
  • 安い部品なので、即交換も選択肢です。
  • いずれにしても、再取り付けに必ずグロメットの交換をする。

形態がこれのみ違う 矢印のボルトを外しプライヤーで外す

形態がこれのみ違う 矢印のボルトを外しプライヤーで外す

周囲に塩や堆積物が付着しているので、ワイヤーブラシで掃除

周囲に塩や堆積物が付着しているので、ワイヤーブラシで掃除

掃除をすると、ほとんど減っていないような状態で現れる これ500H

掃除をすると、ほとんど減っていないような状態で現れる これ500H

 次回予定時期

今回同様 2年 500H経過時に作業をすることにします。外部の2か所は常に目に付くので、相応のところで交換します。係留時間が長くないので、今回と同様で良いかと考えます。
シリンダーヘッドのアノードは、今回清掃だけでしたので、1年後に交換します。工場では、YAMAHAの基準が長くなったとかの話がありましたが、塩や不純物が付くので、清掃は必要でしょう。高い部品ではないので、適時交換が良いのでしょう。

安い部品だし、交換作業も簡単なので、できるタイミングで実施が、簡単です。

今回の作業で確認できたのは、小艇の使用状況での交換時期

  • 2年超or500H超で余裕の交換 シリンダーヘッドのみ 3年or800H

係留方法や使用状況で変化するので、あくまでも小艇の場合です。

部位によって減り方が違いアノード1が通常一番減っている

部位によって減り方が違いアノード1が通常一番減っている

 使用工具類

  • ソケットレンチ + メガネレンチ
  • ドライバー +#2
  • 先細ペンチ
  • ワイヤーブラシ
  • グリスA CRC-666

交換時に使用した工具 普通の工具があれば問題なし

交換時に使用した工具 普通の工具があれば問題なし

 あとがき

簡単な定期交換部品は、純正パーツリストの1頁に掲載されています。タイミングベルトとインペラ以外は、簡単な作業でできます。油脂の交換と同時作業ができますので、作業の記録を作っておくと管理が簡単です。この程度のことができなくなったら、ボート釣りも終了と思っています。

先日、ハルのデカールを交換したり、コンパウンドかけてからワックスをしっかり塗りましたが、これはとんでもなくきついです。こちらは、そのうちに嫌になってしまうでしょう。