恐ろしい電食からエンジンやドライブを守る
meikeimaruのボートのボートメンテナンス
ジンクというパーツがありますが、辞典で調べると、まさに亜鉛です。ボートの金属部分、特にエンジンとドライブを電蝕から守る大事な部品です。
そのパーツは、亜鉛の白く鈍い光の金属がむき出しになっている部品で、まずひとつ目は、船外機ですと船外機本体の取り付け部分ブラケットにボルト止めされています。次は、プロペラの上についているトリムタブもそうです。もうひとつありますが、これはシリンダーブロックに直接取り付けてある、シリンダーアノードです。
これらは、電食からエンジンやドライブ、その他関連の金属を守るために取付けてあります。
電食は、電気を通す液体の中に接触した異なる種類の金属が浸かった時に、一方の金属から他方の金属に電気が流れることが原因で起こる腐食の事を言います。という難しい話ですが、高校の化学でならったあれです。簡単に言えば、エンジンやドライブが、海水の中で発生した電気で溶けてしまうということです。
それではたいへんなので、亜鉛の塊を付けて、エンジンやドライブの金属より、ジンクやアノードと呼ばれている部品の方に先に溶けてもらうことで、エンジンやドライブを守るということです。健気に、自らを溶かしてエンジンを守ってくれる大事なパーツです。
だから、ある一定の期間が過ぎると、ジンクは溶けてブツブツになって減っています。定期的な交換で、この機能を維持させていかないと、「あいた!」になり、結構、経済的な痛い目にあってしまいます。
まだ、半分以上も残っているから大丈夫なんて思ってはいけないもので、特に係留艇では適時早めに交換しないといけません。
写真は交換した部品ですが、まだ使えることは使えます。ですが、溶けていき体積が減ることで、効果も減るということですので、適時の交換は必要ですし、係留艇の場合は上架をしないと交換できませんので、タイミングを間違えないようにしましょう。
交換の工具は、ラチェットレンチとドライバーに先細ペンチにプライヤーがあれば、普通にできる作業です。パーツは簡単に手に入ります。シリンダーアノードは、いくつかのパーツから構成されていますが、セットになったアッセンブリが便利です。
タブトリムの交換
取付上部にゴムのカバーがありますので、それを外してラチェットレンチで取付ボルトを外します。普通に外れます。外れたボルトを取るのに先細ペンチを使います。そして、新品を付属のボルトで取り付ければ完了です。
タブトリムですので、最初に取り付けてあった方向に合わせて取り付けてください。
ブラケットのジンク交換
4本のボルトで取付けてあります。順番に外せば、取り外せます。
注意事項は、ボンディングワイヤーというケーブルが付いていますので、元の通りボルトに取付けるのを忘れないようにしてください。ここを電気が通りますので、大事なワイヤーです。
新しい4本のボルトと2対のステーを噛まして新品を取り付けてください。4本を仮締めしながら、均一に締めこんで完了です。
シリンダーアノードの交換
YAMAHAF115Aの場合、プラグのプラスティックカバーを外すと2か所、エンジンオイルエレメントの下に1か所の3か所エンジンブロックに取付されています。他のジンクのように状態が目視のできない内部にありますので、同じタイミングで交換します。エンジン内部を守っている大事な部品です。
ボルト1本で取付けていますので、ボルトを外してプライヤーでつまんでやれば外せます。外したように取り付ければ、普通に取付完了です。エンジン始動で、冷却水漏れが生じていないかのテストをしてください。
プラスチックのプラグカバーを外す時に、ボルトの取り付け部分のシリンダーヘッドは弱いので、力を入れ過ぎないように注意してください。
もう1個は、エンジンサイドのオイルエレメントの横に見えますので、同じ要領で交換をします。
作業時間は、初めてでも1時間程度で完了するはずです。陸上艇置艇ならば、いつでもできますし、係留艇でもDIYで上架の際は、作業をしてみてください。簡単に交換できる重要な部品です。